第二種電気工事士

50の手習というわけでもありませんが、第二種電気工事士の資格を取得しました。
最近では年間5〜6万人も合格者のいる資格なので珍しくもないのですが、それなりに面白い経験となりました。

今日はそのおはなし。

出願について

https://www.shiken.or.jp/
のサイトからWeb経由で申し込めます。
受験料もクレジット決済。顔写真もデータ転送。
ちょろいもんです。

高専や大学などで電気工学などを修了して(かつ条件を満たして)いたら筆記試験が免除されるのだそうです。
が、当然そのための諸手続きが発生します。
条件を確認して諸手続きを行う手間を考えたら、普通に筆記試験を受けた方が圧倒的に楽そうです。というわけで、普通に受験しました。

そもそも、筆記試験にパスできないとしたら、資格がないわけで。しかも免除になっても受験料が安くなるわけでもないですし。

筆記試験について

満点取る必要はなく、10問以上間違えないようにすればよいはずです。
時間も2時間でしたかね、そのくらいあって50問ですから、まあ余ります。

図書館でわりと最近の電気工事士の筆記試験ガイドを借りてきて、ざざっと2周くらいこなせば問題ないでしょう。

自分の場合、試験の5日前に予約していた本がようやく借りられるようになり、そこから一巡だけこなしました。

配線図の記号を覚えるのはまあまあ面倒でしたね。あとは電線管関連の話と一般用電気工作物というキーワードの出題は鬼門でした。:-)

 

ところで試験の順番は筆記が先で筆記試験合格者が次の実技試験に進むことができます。

なので多くの場合(自分を含めて)まず筆記試験対策の勉強をして、それから(筆記試験に合格してから)実技試験の練習をするという流れになると思われます。

これは振り返ってみて思うのですが、これ前後逆に準備をするとよいですね。

いえ、実技試験に合格する自信をもてるレベルにまで先に準備する必要はないのです。

ただ、どんな課題が出題されるのか、合格/不合格のポイントは何か、を押さえておくことで、両試験を互いに関連付けて(効率よく)準備できるようになると思います。

特に、単線図を複線図にする過程や、必要なリングスリーブの考え方などを押さえておくことで、筆記試験の問題のうち少なくとも3〜5問程度は間違えようがなくなります。

実技試験について

検索したら動画を含めて山ほど受験ガイドが出てくるので敢えて付け加えることはありませんけど、やっぱり実技試験がこの一連のイベントのハイライトですね。
13種類の課題があらかじめ公開されていて、実際にどの課題をやることになるのかは、当日会場に行かないとわかりません。
本質的には課題に難易度の違いはないのでしょうけど、多少の手間の違いは(心理的には)あって、おそらくレアケースに該当すると軽く舌打ちしたくなると思います。:-)
(という趣旨の記述を誰かのブログか何かで見ましたが、同じ感想をもちました)

例としては、ジョイントボックスや電線管が出てくる課題、VVRケーブルが含まれている課題、埋め込みコンセントやスイッチを継ぎ足すタイプなどでしょうか。

ボックスや電線管は言うに及ばず。ちなみに13種類のうち4つの課題が該当します。

VVRケーブルもたいした手間ではありませんけど、一手間違いますからね。面倒です。

埋め込みコンセントやスイッチを継ぎ足すタイプというのは、ケーブルをストリップして接続するだけでないもののことを言っています。たとえば、連用取付枠に2つとか3つのコンセントやスイッチを取り付けるパターンのことです。これ、支給されたケーブルをバラして連結させる必要があります。

なぜ舌打ちをということになるかというと、試験時間の短さのためです。

慣れれば40分という試験時間は十分なものになるでしょう。ですが、試験を受けに行く人たちはそうではありませんからね。結構ギリギリです。

で、実際の試験はどうだったかというと、...

まず試験開始の30分以上前に着席が求められます。

何をするのかというと支給された材料の確認作業に充てられます。

支給されるべき材料のリストと実際のブツを照らし合わせていくわけです。

この段階では、材料のリストしか見ることができないのですが、準備をそれなりにしてきている人にとっては、瞬時に「おお課題3だ、ラッキー」となるわけです。:-)

課題3は前述の一手間がない回路です。

とまあこんな具合で、心理的な余裕が(少しですが)出てきまして、おかげさまで時間内に一通り組み立てることができました。

免状の交付について

笑っちゃいます。

窓口乃至は郵送(簡易書留)で申請用紙に証紙貼って3cm x 4cmの写真2枚に加えて住民票と合格通知も同封...
だから、区役所に行って、警察署に行って、郵便局に行く必要があるというわけ。

そして送られてくるのがほぼ名刺サイズの四つ折りの、ビニールケース入りの紙の免状。

昭和臭が漂います。:-)

受験の申請時とのギャップがすごい。

これはそれぞれ管轄が違うからのようですね。免状の交付は都道府県が行っているようです。

工具と実技試験の準備について

実技試験では、持ち込みの工具を使います。

なので工具を一式揃える必要があります。

何がなんでも必要なのはリングスリーブの圧着工具ですね。これだけはちゃんとしたものを用意しなくてはいけません。なぜなら圧着の際にマーキングを行うことが求められているから。ただ、課題の中にスリーブの大は出てきませんし、試験中の机がこれまた狭いので、「大」サイズなし、の圧着工具がよいでしょう。

あとは、やはりストリッパーは必要でしょうね。

その他については専用の工具は不要なので、この2点だけをバラで購入するのもよいのですけど、実際にはセット製品なんてものもあって手間がなくてよいです。

私はHozanのDK28を買いました。

特筆すべきは、このDK28、買うと技能試験の参考資料としての冊子がついてくる点です。そして、13の課題の複線図もあります。:-)

さて、実技試験の練習として、特に繰り返して慣れておいたほうがよい点を挙げておきます。

  • ストリップ・ストリップ・ストリップ
    10mmストリップとか12mmストリップの際、基本的にはゲージがあるので合わせて剥くだけなのですが、手の癖で若干ズレの生じる(露出した芯線が長過ぎてコネクタに差し込んだ際に余ってしまう)可能性があります。測って剥いて測るという作業を何度か繰り返してやっておくとよいでしょう。
  • 差し込み線の取り外し
    スイッチやコンセント、差し込みコネクタなど、どうしても一度差し込んだ線を引き抜かなければならなくなる可能性があります。おそらく練習では、一度差し込んだ線を何度か抜くことになるでしょうから、その過程で引き抜く際の力加減や要領など十分に経験しておくとよいでしょう。
  • リングスリーブの端の処理
    リングスリーブの圧着接続後の先端の切断は、なんら難しい点はないのですが、2mm線を含む数本を切断処理しないといけない場合、結構力が必要です。これも使う器具や力加減を何度か試しておくとよいでしょう。

費用について

2021年度価格です。

受験料 9,593円

 

免状の交付:
収入証紙 5,300円
住民票 300円
簡易書留 414円

 

実技試験対策:

工具一式(DK28) 11,377円

VVF 1.6 2C 5m 603円

練習用部材 1,700円

 

なんだかんだで3万円近くかかってますね。

練習用部材として用意したのはリングスリーブや差し込みコネクタに加えて、連用取付枠とバラのスイッチとコンセント、あとはレセプタクルです。

引っ掛けシーリングなんかは手持ちのがありました。

あとVVFの2.0 2Cなんかもあったりします。:-)

ですので、このあたりの費用も含めるともう少し増えますね。